ヨーグルトについて ヨーグルトについて

ヨーグルトとは?

栄養価の高い優れた発酵食品

ヨーグルトは、牛乳などの乳に乳酸菌や酵母などを入れて発酵させた食品です。乳等省令(「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」の略)では、はっ酵乳と呼ばれています。成分規格は無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数又は酵母数1000万/ml以上と定められています。

※無脂乳固形分とは、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分

ヨーグルトの成分

ヨーグルトの栄養学的効果

ヨーグルトには、以下のような栄養学的な効果があります。

①乳たんぱく質の消化がよい

牛乳などの乳に含まれているたんぱく質の一部を乳酸菌がアミノ酸に分解し、消化吸収をよくするのです。

②カルシウムの吸収率が高い

牛乳などの乳に含まれているカルシウムは、ヨーグルトになると乳酸とくっついて、腸から吸収しやすい乳酸カルシウムになります。

③乳糖不耐症の人でも食べられる

牛乳を飲むとおなかがゴロゴロすることがあります。これは、牛乳に含まれる乳糖を消化できないためです。これを乳糖不耐症といいます。ヨーグルトは乳酸菌の働きにより、乳糖の一部を分解するので、消化しやすくなるのです。

④ビタミンが含まれている

牛乳にはビタミンAやビタミンB群が含まれており、ヨーグルトも同様に含まれています。ただし、牛乳同様にビタミンCは含まれていません。

ヨーグルトの製法

ヨーグルトの製造工程

ヨーグルトは、牛乳や乳製品を乳酸菌によって発酵させて作ります。乳酸菌は発酵中に糖を分解して乳酸を産生しますが、この乳酸によってpHが下がり、乳たんぱく質が凝固してゲルが形成されるため、ヨーグルト独特のなめらかな食感になります。

ヨーグルトの製造工程は大きく2つのタイプがあり、容器に詰めた後に発酵させるもの(後発酵)と、容器に詰める前にタンクで発酵させるもの(前発酵)があります。

【ヨーグルトの製造工程】【ヨーグルトの製造工程】

後発酵ヨーグルト

後発酵型ヨーグルトには、プレーンヨーグルトや砂糖や香料が添加されたハードヨーグルトなどがあります。
製造工程は、まず原材料を混合し、脂肪分を発酵中に分離させないために均質化させた後、殺菌します。冷却後、スターター(乳酸菌などの種菌)を添加し、すぐに容器に充填し、容器内で発酵させます。目標の酸度(pH)まで発酵が進んだところで冷却します。

前発酵ヨーグルト

前発酵型ヨーグルトには、甘味料や果汁(果肉)を加えたフルーツ(ソフト)ヨーグルトや、ドリンクヨーグルト、冷凍したフローズンヨーグルトなどがあります。
製造工程は、原材料の混合から殺菌、スターター(乳酸菌などの種菌)の添加までは後発酵型ヨーグルトと同じですが、その後、タンク内で発酵させてから冷却し、必要に応じてフルーツなどと混合して容器に充填します。なめらかでとろっとした食感があるのが特徴です。

ビフィズス菌とは?

善玉菌の代表的存在であるビフィズス菌は、1899年にパスツール研究所のティシエ(Tissier)博士によって母乳を飲んでいる赤ちゃんの糞便から発見されました。一般に、出生直後の赤ちゃんには菌が全く生息していませんが、1週間後には赤ちゃんの腸内は腸内の大部分がビフィズス菌に占められていることが知られています。

ビフィズス菌が多い乳児と健常成人の腸内を比較したところ、その乳児の腸内には有害なアンモニアなどの腐敗産物が非常に少ないことが分かりました。このようにビフィズス菌は腸内環境を整え、感染性細菌から乳児を守っていると考えられます。また、さまざまな研究から乳児の発育にも寄与することが示されています。

【乳児と成人の腸内環境の相違】【乳児と成人の腸内環境の相違】

乳酸菌とは?

ヨーグルトづくりに優れた善玉菌

自然界にはたくさんの細菌がいます。空気中にも海中にも私たちの手や体内などあらゆるところで生きています。細菌の中には色々な働きをするものがあります。
ヨーグルトをつくるのは人間の体内でも有用な働きをする乳酸菌です。乳酸菌は、糖を分解して50%以上の乳酸を作り出す細菌の総称で、ヨーグルトの発酵過程では乳酸菌から産生される乳酸が牛乳を凝固させます。また乳酸菌によって牛乳に含まれる乳糖やたんぱく質は分解され、消化・吸収され易い形にかわります。牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするという人もヨーグルトならば安心して食べられます。
現在では乳酸菌自体から便秘、下痢、消化不良に効くサプリメントなどもつくられています。

乳酸菌と発酵食品

乳酸菌は乳酸発酵によって、ヨーグルトをはじめ、様々な発酵食品をつくります。チーズ、サラミソーセージ、発酵バター、サワークリーム、ライ麦パン、みそ、しょうゆ、漬物などがあり、食品によって使われる乳酸菌の種類も違います。この乳酸発酵によってつくられた食品にはいくつかの長所があります。

  • (1)乳酸菌によって発酵食品には独特の風味が生まれます。実験的につくった無菌チーズにはチーズらしい風味は全くないのです。
  • (2)食品の保存性を高めます。酸がつくられるため、食品が酸性になり、腐敗菌や病原菌が増えるのを防ぎます。牛乳よりもヨーグルトやチーズの方が長持ちするのはこのためです。
  • (3)乳酸発酵によって、食べ物は消化・吸収されやすい形になります。

ヨーグルトと乳酸菌

ヨーグルトは一般的に牛乳に種菌を入れてつくります。種菌にはブルガリクス菌やサーモフィラス菌などの乳酸菌が多く使われています。
種菌は、普通数種類の菌を組み合わせて使います。それぞれの菌の性質を生かし、併用による共生作用で、お互いの乳酸発酵を高めあい短時間でヨーグルトを作り出しています。
乳酸菌によって作られた乳酸はさわやかな酸味を与え、また、牛乳のたんぱく質を豆腐状に固め、独特のなめらかな食感を生み出します。

腸内の乳酸菌とビフィズス菌の働き

乳酸菌やビフィズス菌は糖を分解して乳酸を作り、さらにビフィズス菌は酢酸も作ります。これにより腸内は酸性になります。
腸内を酸性にすることは、酸性の腸内環境が苦手な悪玉菌が増加しにくい環境をつくることになります。また、体外から侵入してくる悪い菌にとっても腸内が酸性であることは、居心地の悪い環境であるため、悪い菌からの防御にも繋がるのです。

ビフィズス菌と乳酸菌の違い

ビフィズス菌と乳酸菌はまったく違う菌

乳酸菌は糖を分解して50%以上の乳酸を作り出す菌の総称で、一般的な発酵食品には乳酸菌が利用されています。一方、ビフィズス菌は糖を分解し、乳酸に加えて酢酸も作り出します。ビフィズス菌もヨーグルトや乳酸菌飲料などに利用されていますが、分類学的には乳酸菌とはまったく異なる種類の菌です。
善玉菌の代表として知られるビフィズス菌と乳酸菌ですが、ヒトの腸内、特に大腸内では、ビフィズス菌は乳酸菌(乳酸菌の代表であるLactobacillus属細菌との比較)の数百倍多くすんでいます。
ビフィズス菌の主な特徴について、乳酸菌と比較したものが次の表です。

ビフィズス菌入りヨーグルトについて

ビフィズス菌入りヨーグルトは特別

乳酸菌とビフィズス菌は同じように思われており、全てのヨーグルトにビフィズス菌が入っていると思われる方も多いですが、ヨーグルトには必ずしも、ビフィズス菌が入っているわけではありません。
普通のヨーグルトは乳酸球菌のサーモフィラス菌と乳酸桿菌のブルガリクス菌で発酵しますが、ビフィズス菌入りヨーグルトにはさらにビフィズス菌も加えて発酵しています。

【ヨーグルト内に含まれる菌の違い】【ヨーグルト内に含まれる菌の違い】

普通のヨーグルトにも整腸作用などの生理効果があるとされています。しかし、生きているビフィズス菌の入ったヨーグルトの方が普通のヨーグルトに比べてより効果が高いことが知られています。
また、ビフィズス菌はビタミンB群を生成する働きがありますので、ビフィズス菌入りヨーグルトでビフィズス菌を補給することは、ビタミンB群を増やすことにもつながります。
しかし、本来ヒトや動物のおなかにすんでいるビフィズス菌は、一般的に酸素や酸に対して弱く、全てのビフィズス菌がヨーグルトの中で増殖できるものではありません。また、発酵した後、製品が食べられる前に死んでしまうようなビフィズス菌も多く、生きたビフィズス菌を豊富に含むヨーグルトを作るのは難しいことです。

【普通のヨーグルトとビフィズス菌入りヨーグルト摂取による整腸作用の違い】【普通のヨーグルトとビフィズス菌入りヨーグルト摂取による整腸作用の違い】

プロバイオティクスについて

プロバイオティクスとは、「生きて腸まで届き、腸内細菌叢のバランスを整え、健康に有益な働きをする微生物」のことです。その代表的なものがビフィズス菌や乳酸菌です。
プロバイオティクスは抗生物質(アンチバイオティクス)に対比される概念で、抗生物質が細菌を退治して病気を治すのに利用されるのに対し、プロバイオティクスは良い菌を増やして病気を未然に防ぐという考え方がもとになっています。

予防医学の発想 プロバイオティクス ⇔ 治療医学の発想 抗生物質 アンチバイオティクス予防医学の発想 プロバイオティクス ⇔ 治療医学の発想 抗生物質 アンチバイオティクス
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